WORKS:
地域と文化のためのメディアを考える連続講座
目に見えないものを、残して創る、わたしたちの、めでぃあ。
映像、写真、本、場所など様々なメディアが専門家だけでなく市民のわたしたちも気軽に使えるようになった現代において、記録そのものは一見簡単にできるようになったかに見えます。一方で、地域の歴史的な出来事や人々による生活の記憶などの”目に見えない”文化資源は、刻一刻と忘れ去られていきます。これに対し、私たちはいかに目を向け、どのような記録方法やプロセス、発信の仕方があるのでしょうか?
今回は、多分野のメディアに関わる講師をお招きした連続講座を開催することで、地域で暮らす私たちのためのメディアについて考えてみます。
入場無料(予約不要)定員:20名
会場:Y Pub&Hostel 鳥取市今町2丁目201 1F
講座テーマ1|地域コミュニティの生活情報を、現在に生かすには?
「聞き書き」などによって得られる文字化されていない生活情報を、いかにして現在に生かすことができるのか?農山漁村での聞き書きのプロセスや、鳥取県八頭郡智頭町を舞台とした新たな事業構想をもとに地域づくりの可能性を探ります。
2016年12月18日(日)18:00〜20:00
ゲスト講師:家中 茂 (鳥取大学地域学部地域政策学科 村落社会学・環境社会学教授)
講座テーマ2|地域の情報をつかってつくる、どこにもない本づくり
山口の市民グループや京都の学生グループとともに、編集から制作までを行った様々な本づくりのお話を通して、情報そのものを捉え直すことで見えてくる、どこにもない「本づくり」について考えていきます。
2017年1月15日(日)18:00〜20:00
ゲスト講師:吉岡 洋(京都大学こころの未来研究センター 特定教授)
講座テーマ3|地域の民話を記録して、活用する仕組み
生涯学習施設と地域の民話採訪サークルと映像作家たちとが連携して、土地の民話の記録・保存・活用までを行う活動プロセスや公共施設の役割のお話を通じて、私たちの町をベースにどんなことができるのか?その機能や担い手について想いを巡らせてみます。
2017年2月19日(日)18:00〜20:00
ゲスト講師:清水 チナツ(せんだいメディアテーク学芸員)
ゲストプロフィール
家中 茂(鳥取大学地域学部地域政策学科 村落社会学・環境社会学教授)
1954年、東京都墨田区生まれ。1980年より、砂田明一人芝居『海よ母よ子どもらよ/現代夢幻能「天の魚」』全国勧進公演に同行。1995年、沖縄の有機農産物流通を担う「真南風」設立に参画。沖縄大学地域研究所を経て、2005年より現職。?「生活の立場」から人と自然のかかわり、コモンズについて考察。フィールド及びテーマは、沖縄のサンゴ礁の保全利用や里海づくり、自伐型林業による森林資源に依拠した生業創出と生活の統合、景観形成や生業技術・伝統的芸能のかかわりなど。
主な著作に、『地域の自立 シマの力』(コモンズ)、『景観形成と地域コミュニティ』(農山漁村文化協会)、『地域学入門』(ミネルヴァ書房)、『林業新時代─「自伐」がひらく農林家の未来』(農山漁村文化協会)など。
吉岡 洋(京都大学こころの未来研究センター 特定教授)
1956 年京都生まれ。京都大学文学部哲学科(美学専攻)、同大学院修了。甲南大学、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)を経て、京都大学大学院文学研究科教授を経て、現在京都大学こころの未来研究センター教授。専門は美学芸術学、情報文化論。著書に『情報と生命?脳・コンピューター・宇宙』(新曜社、1993年)、『〈思想〉の現在形-複雑系・電脳空間・アフォーダンス』(講談社、1997年)など。京都芸術センター発行の批評雑誌『Diatxt.』(ダイアテキスト)1?8号、山口情報芸術センターで地域の市民グループと作った『ヨロボン』、京都現代芸術祭パラソフィアの「半公式」フリーペーパー『パラ人』の編集長を務めてきた。また「SKIN-DIVE」展(1999)、「京都ビエンナーレ2003」、「大垣ビエンナーレ2006」などの展覧会企画にも携わっている。文化庁世界メディア芸術コンベンションの座長を3年間務めた。
清水チナツ(せんだいメディアテーク学芸員)
1983年福岡県北九州生まれ。大学卒業後、NPO法人Art Institute Kitakyushuに所属し、地元作家の展覧会の企画運営を行う。その後、インディペンデントキュレーター遠藤水城とともにインドネシアのアートシーン調査、CREAMヨコハマ国際映像祭アシスタントキュレーター、東京・神保町「路地と人」運営メンバーを経て、現職。メディアテークでは、市民(在野の学習者)とともに展覧会企画制作/メディアセンター運営/フリーペーパーや書籍の編集/対話の場づくり/伝承民話の記録活動にとりくんでいる。NPO remoメンバー。
鳥取大学にんげん研究会とは
2012年、鳥取大学地域学部小泉元宏研究室の学生らとゲストハウス&カフェ「たみ」を運営するうかぶLLCとが共同して立ち上げた研究会。2013年以降、地域学部教員(五島朋子、仲野誠、筒井宏樹、佐々木友輔)のゼミも参画し、現在は、合同ゼミとしてゆるやかに活動している。地域社会の中でひとりの「にんげん」がどのような活動を行い、いかにして仲間を増やし環境をつくるのかについて、地域文化や生活する人々の視点で、読書会やトークイベント、研究発表会などを行う。
地域社会の記憶と文化のためのメディア・プロジェクト
主催:鳥取大学にんげん研究会・地域学部付属芸術文化センター 五島朋子
鳥取大学:人口希薄化地域における地域創生を目指した実践型教育研究の新展開(戦略3?1)支援事業
お問い合わせ・企画:蛇谷りえ(うかぶLLC)
jatani@ukabullc.com、0858-41-2026(ゲストハウス&カフェ「たみ」兼用)